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2008年11月17日月曜日

最後の一葉



春 あの豪華な美しさを誇った桜も、季節の移ろいとともにすっかり葉を落として、最後の一葉となりました。

O・ヘンリーの世界です。 田舎から都会へ出て来て一人暮らしの若い女性が、重い病に倒れ 安アパートのベッドの上から冷たい風の吹く窓の外を見やりながら、寂しく「あぁ あの一枚だけ残った葉っぱも、此の冷たい風に吹かれて間もなく散るのね。其の時 わたしも死ぬんだわ・・・」と呟くのです。そしてある夜 激しい風雨がやって来ます。当然 此の葉っぱは強い風邪と雨に吹き飛ばされて仕舞ったと思っていました。

ところが 奇跡的に其の葉っぱが木の枝に残っていたのです。其れを見た彼女は気力を取り戻し元気になりました。 そこには 一人の老人の信じられない努力が有ったのです。彼女の事情を知った老人は、其の夜 激しい風雨に打たれながら、最後の一葉が落ちない様に木に登って必死に葉を支えて居たのです。そして 肺炎になり、亡くなりました。

此の桜の木も、実は もう八月頃から来年の春に咲く準備をしているんだそうです。寒風に吹かれて寒々しく見える枝の中では逞しく次の晴れ舞台の準備をしているのですね。

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