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2010年7月14日水曜日

考古学 其の13

 昨日の静大・滝沢先生の考古学第13回の講義は、「埋蔵文化財の調査」に就いて、其の現状と、問題点のお話でした。
 1.埋蔵文化財調査の現状。
 ・埋蔵文化財とは、土地に埋蔵されている文化財で、此れは1950年制定の「文化財 保護法」で保護されている。
 ・周知の遺跡とは、周知の埋蔵文化財包蔵地として、「文化財保護法第57条の2第1 項」に基づいて「遺跡地図」を作成。
 ・この調査には二通り有って、
 ◎1学術調査。そして◎2緊急調査とあり、◎1学術調査は、学者や専門研究員に依る もので、さほど問題は無いが、◎2の緊急調査は大変な問題が有る。つまり此れは大き な宅地造成とか、道路の建設などをやろうとしたら、其処に遺跡が有ったと言うケース で、その土地の発掘調査が終るまで工事を中断しなければならない。然も 其の調査に 要する莫大な費用は「工事の原因者負担」が原則だが、此れには明確な法的根拠は無い 。だから しばしば大問題になる。
 2.埋蔵文化財調査の問題点。
 上記の要因に依って発生した象徴的な大問題は、目下開催中の平城宮蹟に有った「長屋 王邸跡」の保存問題です。此処に「そごうデパート」の建設計画があり、此処を発掘調 査して保存をしようとしたが、当時はバブル景気の最盛期で、文化庁で此処を買い取り 保存をしようとしたが、そごう側の提示した言い値が300億円、文化庁の用意出来る予算が4 0億円で、話にもならず泣く泣く断念した。其の結果 此の貴重な「長屋王邸跡」は破 壊され消滅して、其の跡に「そごうデパート」が建設された。皮肉な事に、その後「そ ごうデパート」は、経営不振で倒産したが、これは「長屋王の祟りだ」と囁かれた。
 此の様に 遺跡には昔の他人の怨念とか、様々な因縁が有るのですね。

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