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2011年2月21日月曜日

兜町の黄昏

 東京兜町の凋落振りが今朝の新聞記事になって居ました。株価の低迷が、兜町の灯を消して仕舞ったのです。かつてはニューヨークのウオール街、ロンドンのシティーと並び称された東京の兜町も、今は昔、人影もまばらで以前の栄華は嘘の様です。
 証券会社と言えば花形会社の象徴でした。パリッとしたスーツに身を包み、肩で風を切って歩く姿に普通のサラリーマン達は羨望の眼差しを向けたものです。証券会社では、高校を出たばかりの女の子が、30年もコツコツと務めた普通のサラリーマンのお父さんよりも多くのボーナスを貰った、とか 1980年代はまるで「証券マンにあらずんば人にあらず!」と言う時代でした。
 当時大学生だった息子が、就職するに当って、一応有名私立大の体育会系でしたから、企業からの引く手数多でした。一流企業に就職して居る先輩OBから「お前お声が我が社に来い!」とお声が掛かり、より取り見取りで困るほどでしたが、其の時 私は息子に「証券会社の隆盛は、何時までも続かない。だから 止めなさい」と言った事を覚えて居ます。
 案の定 其れから直ぐバブルが弾け、山一証券が倒産したりして証券会社の暗黒の時代になりまして、とうとう兜町に閑古鳥が鳴いて居ります。
 今でも 証券会社の新入社員らしい人達から、「株を買って下さい」と言う主旨の電話が頻繁に掛かって来ます。電話の向こうから必死に訴えようとする雰囲気が判ります。が 可哀想ですが相手にしません。

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