今日の静大の岡崎先生の講義は「源氏物語における時間表現について」でした。
古典文学では、物語の進行時間軸は大体「一定のリズム」で書かれて居るものです。「源氏物語」が其れまでの文学の中で異彩を放っているのは、此の時間軸が変幻自在と言うか、緩急が物語の内容で違う処が有り、其れがアクセントとなって居て、読者にものがたりの魅力を感じさせているのです。
例えば 一行で三年の時間経過を書いてある所⇒この御子三つになりたまふ年(桐壺)。 逆に 一夜の出来事を長々と数ページにわたり書いてある部分もあります。例えば⇒桐壺の更衣が亡くなり、帝が「ゆげいの命婦」を桐壺の更衣の母にお悔みに遣わした時、其の母と命婦との会話とか、其の命婦が帝に復命するシーンには、其の日の夕暮時から、次の日の夜明けまでの会話や出来事を事細やかに、本のページで10ページに亘って書かれています。他には 大体に於いて男女の濃密な会話が交わされる場面が此のページ数を多く費やされています。其処が源氏ファンには堪らない所になって居る訳です。紫式部の雅で柔らかい言葉遣いが千年後の今も我々の心を痺れさせるのです。日本の平安文学っていいですねぇ~
2009年11月5日木曜日
源氏物語その5
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