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2010年5月6日木曜日

龍馬がゆく



坂本龍馬ブームです。NHKテレビの所為で、猫も杓子も龍馬・龍馬で大フィーバーをして居ます。御存じ金八センセイこと武田鉄矢さんは熱烈な龍馬ファンで、何度も龍馬が夢に出て来る程だそうです。
 そもそも坂本龍馬をこんにちの様に有名人にしたのは、司馬遼太郎が1966年に書いた名作「龍馬がゆく」でした。此れは私も読みました。其の物語の素晴らしさ、歯切れの良い文章、テンポの良さはまるで夏目漱石の様だ!と感激しました。勿論 武田鉄矢センセイも大感激で完全に嵌ってしまったのです。
 其の鉄矢さん 憬れの司馬遼太郎に逢えた時、龍馬の話をイッパイ聞きたくて溢れんばかりの期待に胸躍らせて居た所、意外な事を言われてショックだったと言って居ます。
 「いつまでも龍馬やおまへんで。日本には歴史に名を遺した偉い人は、他にも沢山居ます。そう言う人達にもっと広く眼を向けなさい」 きっと 司馬遼太郎にしてみれば、自分が書いた小説で脚光を浴びた「坂本龍馬」に依ってこれ程までに「狂信的?」になる青年が出て来たのは些か当惑したのでしょう。其れまで歴史の中に埋もれて居て、余り知られて無かった一介の土佐の田舎侍が、表舞台に引っ張り出されて照れて仕舞った部分も多少有ったのかも知れませんし、あれは小説なのだから、僅かばかり美化された所もあったのかも知れません。其れを 鉄矢センセイの様に手放しで礼賛されては作者として司馬遼太郎は、「もう いい加減にして欲しい!」と言いたい所でしょう。  でも 此の小説「龍馬がゆく」は名作でした。

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