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2011年8月25日木曜日

他力本願

 「他力本願」と言うのは、本来は親鸞聖人が唱えた<阿弥陀如来を一心不乱に信じ、「南無阿弥陀仏」を心の底から唱えれば、善人も悪人も阿弥陀如来の「本願力」に依って救われて、極楽往生出来る>と言うものだそうです。
 ところがこんにち その意味が勝手に間違えて伝えられ、<他人任せ・他人依存>の言葉として遣われて居まして、まるでエゴイズムの奨励見たいになって居ます。
 今度の東北大地震では、多くの命が失われ、街や家やインフラも津波に奪われて仕舞いました。そこで 自衛隊や地方自治体、多くのボランティアが救援活動にあたって居ます。そこでつい最近 静岡市役所から被災地の自治体へ、応援活動に派遣され行って来た、A氏の話を聞きました。
 A氏が言うには 被災地の復興ぶりには段々大きな差が出て来ている。つまり 自力で必死に復興努力をして、良くぞ此処まで頑張った!と言う人々と、大震災から5カ月経ったのに、未だに茫然自失で自力で何もしないでいる人々です。ボランティアの人達が、泥んこになり、大汗かいて自分の家の泥を掻い出したり、瓦礫の片づけをして呉れて居るのに、ただボケェーツと見て居るだけで、何もしないのだそうです。「どうして何もしないのですか?」と聞けば一言「被災者だから」と答えて平然として居たというのです。
 「それは違うでしょう!!自衛隊もボランティアも復興の手助けはしますが、飽くまでも復興作業の主役は被災者自身です。」とA氏が言ったら、物凄い剣幕で「他所者が余計な事を言うな!!俺達は爺さんの代から<他力本願>を教えられて来たんだ!」と言われました。
 それはヤッパリ違います。然し此の人達と議論をしても始まりませんから、せめて自力本願で復興して下さいと願いながら帰って来たそうです。

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