シングルマザー

　男が優しすぎるのか、弱いのか？　男に「三行半（みくだりはん）」を叩き付けた女、それも「シングルマザー」が随分多くなった様な気がします。
　其の内の一人　若くて美しく、バリバリのキャリヤウーマンと言ってもいい女性、或る会社の中間管理職で、収入はかなりのもので働く事が楽しくて仕方が無いと言う風情。子育ては親に任せっきり、休日も仕事が有る日は仕事に出かけます。
　子育てそっちのけで、そんなに働きたければ何故結婚したのか？と言う質問に対しては明快に「女として妊娠・出産を経験して見たかった」と答えています。此の人　「自己中心的人間」として此れ以上の人間は居ないでしょう。
　確かに仕事は出来るでしょう。経済的にも豊かで、子育ても親が面倒を見て呉れるので物理的な問題は無いかも知れません。然し　です。　子供の気持ちは、父親となった男性の気持ちはいったいどうするのでしょう？　子供の「お母さんが居ない寂しさ」「お母さんの懐の温かさ」これ等を恋しくて堪らない切なさを考える瞬間はないのでしょうか？
　女の大仕事は「妊娠・出産」よりも本当に大変なのは「育児」です。成人するまで不眠不休で数々の障害と闘い、そして成長を喜び、休みなく努力を続ける必要があります。それを女一人でやろうとは想像を絶する苦難の道です。だから　昔から夫と協力してする大事業とされて居るのです。
　それなのに　「妊娠・出産を経験して見たかった」だけでこの世に生れて来させられて、放り出された子供の生涯、此れからのながぁ～い生涯に、思いを致す事が出来ない此の人の人生に、「どんな老後が待って居るのかな？」と考えてしまいます。