中国も経済発展とともに、内部では随分綱紀が乱れてモラルの低下が酷い様で、其の事情を描いた記事を見つけました。其の内容は下記の通りです。
『2010年7月23日に開催された中国共産党中央政治局第22回集団学習会で、この会を主宰した胡錦濤総書記は、近年中国社会にはびこる“三俗”の風潮を断固として食い止めようという提案を行った。“三俗”とは、“庸俗(卑俗)”、“低俗”、“媚俗(世俗に媚びる)”を指すが、この胡錦涛総書記による提案を契機として、中国では“反三俗(三俗反対)”を旗印とする新道徳運動が展開されている。その対象は低俗化や娯楽化が著しい芸能界からインターネットまで多岐に及んでいる。
“八栄八恥(8つの栄誉と8つの恥辱)”
今や“反三俗”は大きな流れとなって中国社会を揺り動かしているが、2002年11月に中国共産党総書記に就任した胡錦濤は、2006年3月にも“八栄八恥(8つの栄誉と8つの恥辱)”を柱とする“社会主義栄辱観”という文明国家を建設するための道徳規律を提起している。その詳細は以下の通りである:
【1】 国を愛することは栄誉、国を害することは恥辱
【2】 民に尽くすことは栄誉、民に背くことは恥辱
【3】 科学を尊重することは栄誉、無知蒙昧なことは恥辱
【4】 勤勉に労働することは栄誉、無為に怠けることは恥辱
【5】 助け合い団結することは栄誉、自己の利益だけを図ることは恥辱
【6】 誠実に信義を守ることは栄誉、利を見て信義を忘れることは恥辱
【7】 規則に従い順法することは栄誉、法に違反して規則を乱すことは恥辱
【8】 刻苦勉励することは栄誉、奢侈淫楽することは恥辱
此の「八栄八恥運動」に庶民の反応は「中国伝統の面従腹背」で、表向きは積極的に賛意を示すが、腹の中は何を今さらといった感じで冷淡なものであった。
さて、今回の“反三俗”はどうなのか。世界金融危機を他国に先んじて克服し、日本を抜いて米国に次ぐ世界第2の経済大国に上りつめた中国に蔓延しているのは、経済繁栄下における高揚感であり、拝金主義であり、成金感覚である。かつて提起された“八栄八恥”などは遠い彼方に忘れ去られ、富裕層はさらに富もうとし、中間層は富者になろうとし、そして下層の人々は少しでも生活が楽になろうとして、“恥辱”に定義付けられた方向に邁進しているのである。こうした道徳規範から逸脱した行為をいかに是正するかが、中国政府にとって重大な課題となっているのである。』
中国と言えば かつては孔子様を始めとして、成人君子を沢山輩出した中華文明の国でしたが、最早 一国の指導者が、此の様な小学生向けの修身のお話をしなければならないとは「富めば腐る」の格言通り、見る影も無く哀れな国となり果てたのでしょう。
2010年10月4日月曜日
中国の八栄・八恥
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿