Google

2009年8月28日金曜日

方丈記

鴨長明の随筆です。日本三大随筆に数えられる名作で、清少納言の「枕草子」、吉田兼好の「徒然草」、そして此の「方丈記」を言うそうです。
 「あさはあけぼの・・・」の枕草子は平安時代の言葉遣いが現代とかなりかけ離れて居て難解な部分が有りまして、私の理解力では苦労をします。
 「徒然なるままに・・・」の徒然草は其れに比べれば優しい言葉遣いで分かり易いと思いますが、やや宗教的の匂いがします。
 「方丈記」は鴨長明が「人とすみかの無常なる世間を逃れて、日野山の方丈の庵の生活に於いて獲得した、わが心のの安楽さと、その否定。」を主題として、書いたもので、其の文章は平易で私の様な者でも注釈無しで読めます。書かれた時代が鎌倉時代と少し現代に近いからでしょうか?其の冒頭の処
 『行く河のの流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例(ためし)なし。』は、世の無常を水の流れに例えてますが、此れは、のちに作られた「平家物語」の冒頭「祇園精舎の鐘の声。諸行無常の響きあり。奢れるもの久しからず・・・盛者必衰のことわりをあらわす」の名文句に繋がって行きます。
 鴨長明は 下賀茂神社の禰宜になるのが望みでしたが、其れが後鳥羽上皇の思し召しで実現しかかった時に、惣官の祐兼が反対して実現しませんでした。其の蹉跌に依って 出家・遁世してしまいました。
 そこで 大原 方丈の地に庵を構え隠遁生活を送り、「方丈記」を編んだと伝えられています。

0 件のコメント: