今日の静大岡崎先生の第三回講義は、{「萬葉集」の表記と訓読}に就いてでした。千二百年前の日本には、現在の私達が使って居る仮名文字が有りませんでした。其処で当時の人達は、中国から伝えられた漢字の「音」と「訓」を組み合わせてなんとか言葉を表記しようと努力しました。
萬葉集の原本は現存しません。鎌倉時代に写本されたと思われる「西本願寺本 萬葉集 二十巻」が写本として伝わる最古のもので、全部漢字ばかりで書いてあります。
例えば 萬葉集巻第一 第一番 雄略天皇の御製歌
A「籠(こ)もよ み籠(こ)持ち ふくしもよ・・・」(漢字と仮名の表記)
B「籠毛與 美籠母乳 布久思毛與・・・」(漢字だけの表記)
以上の様に Aは私達にも読む事が出来る現代文表記。Bは西本願寺本の表記で、一音ずつを漢字で表記したもので、萬葉集の原本に最も近いとされているものです。此のBを千年もの時間をかけて研究者達は、現代文に訳して来た訳ですが、其れには大変な努力が偲ばれる訳です。又」写本自体も、誤写があったり、文字の欠落があったりすると考えられるので、其れ等を考察して現代文に翻訳する苦労は並大抵のものではないのです。
今日の講義の要点は、漢字表記の原文が、学者の解釈に依って少しづつ違うし、其の違う理由を話して頂きました。其処に萬葉集を読む事の奥深さ、面白さを教えて頂きました。
2011年4月26日火曜日
萬葉集 3
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