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2011年6月7日火曜日

古代物語概論

 「古代物語概論」今日の静大岡崎先生の講義は、「萬葉集」「古今集」を終って、「物語」の話になりました。
 「物語」には 「源氏物語」以前から「源氏物語」、そして「源氏物語」以後があります。今日はその「源氏物語」以前から「源氏物語」までを講義して頂きました。
 先ず「竹取物語」そして「うつほ物語」と「落窪物語」が有りまして、「源氏物語」と進んで行く訳です。
 これ等の物語は 全て<語り手>が居て、其れが物語を読者に語って聞かせると言う形式を採って居ます。その為にこれ等の語り手の<語り始め>には共通するものが有り、「源氏物語」以外は
 「今は昔 何処其処に何某 と言う人物ありけり」と言う形で、主役の登場人物の親が紹介され、次に 其処に生まれた子供(竹取物語は竹の中から生まれる)が物語の主役で、様々な物語が展開される訳です。
 ところが「源氏物語」は、「いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらいける中に、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまうありけり。・・・」と有名な<語り始め>で書き出されています。作者の紫式部は「いづれの御時にか・・・」とわざと恍けて居ますが、実はどの帝の時代か知って居たのだろうと思われます。ただ あからさまに書けば何かと差しさわりが有ったので、暈した表現をしたのか、或いは紫式部は時の絶対権力者藤原道長の庇護のもとに在りましたので、其の意向が反映されたのかも知れません。千年以上も前の話ですが興味深いですね。

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