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2012年1月26日木曜日

真言律宗

昨日の静大 湯の上教授の講義は「真言律宗」の話でした。この宗派は奈良西大寺流律宗の総本山として、こんにちの静岡県藤枝市に、765年称徳天皇の勅願により建立された「奇岩寺」として此の地域に広まった宗派でしたが、度々の火災に依って衰退していました。
 14世紀になり 叡尊と言う人が寺を再興するのに尽力し、其の弟子の忍性と言う人の代に大いに栄えこんにちに至ったとされています。
 昨日の話で 特筆すべきは、この「忍性」と言う坊さんの偉い事です。忍性さんは 理解力がやや弱く、お師匠さんの叡尊さんに「私は頭が悪く、お師匠様のお話を何べん聞いても理解出来ません。私は もう 修行を辞めた方がいいのでしょうか?」と聞きました。するとお師匠さんの叡尊さんは「お前は確かに頭が悪い。しかし実行力が有る。修行を続けなさい」と言われました。
 忍性さんは 困っている人達を助ける事を<無私>の心で全力投球しました。昔風の言い方で人別帳にも載せられない<餞民>の人達を救う活動をしたり、<ライ病患者>を救う為に自分の背中に背負って運んでやったりしたそうです。昔の、<ライ病>は傍に寄るだけで伝染し、一旦感染したら不治の病として恐れられて居まして、人里離れた山奥などに捨てられて死を待つと言われました。その様な人を、自分の背中に背負うなどと言う事をする勇気・度胸・慈悲深いこころを持った偉いお坊さんだったのです。
 あぁ こんな偉い政治家が今の日本に居たらなぁ~・・・と慨嘆するものであります。

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