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2008年10月2日木曜日

鼻取地蔵

今日の古文書勉強会で聞いた地元に伝わる民話です。

 駿府の國(今の静岡)丸子宿と言えば今でも「とろろ汁」で有名ですが、其の西に宇津野谷峠と言う難所があります。今では明治時代にトンネルが出来て、此の峠を越える事はありません。然し 江戸時代は此の峠越えは相当難儀をしたそうです。其の峠に「鼻取地蔵」という変わった名前のお地蔵さんがありました。

 昔 此処に真面目で正直で働き者のお百姓さんがいました。毎日セッセと農作業に励んで居りましたが、ある時、体をこわして寝込んでしまいました。折りしも田起こしの時期で、どうにもならずに困っていましたが、気は焦れどもままならずと言う状態でした。翌日になって、気懸かりなので田圃を見に行くと、お地蔵さんが、牛の鼻を取って田を耕して呉れていたのだと言う話です。 それで「鼻取地蔵」と名付けられて、今では峠の麓の寺に移されて地元の人々に崇拝されて居るそうです。

 やはり 真面目に正直に一所懸命に働いて居れば、きっと神様・仏様が報いて下さるのでしょうね。 でも 今の日本人の多くは、真面目に地道に働かず、投機と言う麻薬の虜になっちゃって村上ファンドとか、ホリエモンとやらを持て囃す情けない人間に成り下がってしまいました。

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