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2009年12月17日木曜日

源氏物語其の十

きょうは 静大 岡崎先生の今年最後の講義が有りました。然し 今日は寒かったなぁ~
 今日のテーマは「長恨歌」と「源氏物語の『葵の巻』と『幻の巻』との関りに就いて」です。つまり 「長恨歌」と言うのは今迄勉強して来た「桐壺の巻」との関りはひと段落して、桐壺以降にも関りの有る所が有りますので、その所を勉強しました。
 「葵の巻」 葵の上は光源氏と夫婦になりますが、長女を出産して直ぐに亡くなって仕舞います。平安時代の男は妻の実家に入り婿見たいにして滞在するのですが、妻が亡くなって仕舞うと其の家を出て行きます。葵の上の父親である左大臣は、娘を失った悲しみと、光源氏と言う素晴らしい婿が居なくなった二重の悲しみにくれるのです。光源氏と葵の上のやすんだ御帳の前に源氏が使った硯があり、手習いをした紙が未だ残して在るのを見ると、見事な筆跡で漢詩や和歌が書いてある。此の人を婿殿としてお世話出来なくなって残念である。此の処に『鴛鴦瓦冷霜花重、旧枕故衿誰与共 <睦まじいおしどりをかたどった瓦は冷たく凍って、白い花の様な霜が深く置く夜、昔の枕や衿を誰と共にする事が出来よう>』
 次に「幻の巻」 此処は 亡くなった紫の上の事を想い、光源氏が一年中嘆き悲しんで居る暦です。季節を追い、時に臨んで長恨歌の一節を引用して居ます。
 「夕殿蛍飛思悄然、 <夜を知る 蛍を見ても悲しきは 時をともなき 思ひなりけり」
 「大空を かよふ幻 夢にだに 見えこぬ魂の 行方たずねよ」 此の<かよふ幻>の幻が此の巻の標題になっています。 
 然し 日本人の情緒たっぷりな解釈と表現はチト執拗な感じがしますけど・・・

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