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2010年5月19日水曜日

考古学 其の5



 昨日18日 静岡大学の滝沢先生の考古学「歴史と文化」第5回講義がありました。今回のテーマは「モノの機能を考える」でした。
 最初に出土品の現物の土器を見せられまして、「此れは<ハソウ>と言う物です。どんな目的で使うう物でしょう?」と言う問題を出されました。ハソウとは瓦偏に泉と書きます。
 先生に指された女子学生は、急須に似た形から「お湯を注ぐものだと思います」と答えて居ましたが、だいたい其れに間違いは無い様でした。
 つまり 土器の形態から一般的な様と・機能の推定は可能ですが、同じ形態でも、違う用途・機能の同形異種の物もあり、常識的・経験的推定の問題点が有る。
 代表的な例として、昭和5年(1930年)埼玉県熊谷市で2体見つかった「踊る埴輪」(写真のもの)です。シンプルな形で、右手を下に、左手を上に挙げて居る姿が丁度踊りを踊って居る様に見える事から「踊る埴輪」と永年思われて来ましたが、1996年埼玉県行田市の塚田良通さんが異を唱えました。その根拠は、此の埴輪の出土場所の傍から馬の埴輪が多く出土して居る事、そして 此の埴輪が、シンプルな出来で、差ほど身分の高い人を模したのでは無さそうな事から、此の埴輪は「踊る埴輪」では無くて、「馬曳き」ではないか?というもので、それで 今迄の定説に異を唱えたのです。此れには未だ決定的な断定は出来ませんが、此の様に永年の定説と言っても異論が出て来る事が有るのです。だから 考古学は面白いのでしょう。

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