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2009年5月21日木曜日

クレイマー その2

先日書きましたクレイマーの続編です。
 昨日も 例のクレイマー婆さんは大張りきりで、広いフロアー中に響き渡る胴間声を張り上げて文句を言ってました。食事の事に始まって、お終いには病室のベッドの配列に迄クレイムをつけて、私の妻のベッドが寄り過ぎて居る為に間隔が狭くて邪魔だと喚き散らすのです。四人部屋で、四つのベッドが等間隔に配置されて居るのですが、其の感覚の取り方が不公平だ直せ!直せ!と割れ鐘の様な大声で叫び続けるのです。然も 首を手術したばかりの身動きの取れない患者の耳元で・・・
 遂に私も堪忍袋の緒が切れました。「ウルサイ!黙れ!!」と怒鳴りつけてしまったのです。妻の容体が心配ですから、相手が婆さんでなければ一発お見舞いしたした所です。
 すると 其の婆さんはベッドから飛び降りるとスタスタとナースセンターの方へ歩き出しまして、又すぐ戻って来ました。歩行器を取りに戻って来たのです。此の人は「痛い!痛い!」を連呼して、「手術をしてもちっとも治らない!トイレも痛くて行けやしない!」と言って歩行器にぶら下がってやっとの思い(の振りをして)歩いて居たのが、先程はベッドから飛び降りると歩行器ナシでスタスタ歩いて行きましたが、さすがに今迄の「演技」の手前まずいと思って歩行器を取りに戻ったのです。其れを見た同室の人達も廊下から見物の人達もドッとばかりの大爆笑でした。
 ナースセンターへ行った婆さんは例の大声で喚き散らすのが聞こえました。「みんな私の事を馬鹿にして、誰も言う事を聞いて呉れない!身内も、親戚も居ないから誰も見舞いに来ない!こんなに痛がって居るのに先生も看護婦も何もしてくれない!」・・・等々 自分本位の苦情の数々を列挙して怒鳴り撒くって居ます。
 直ぐ 婦長さんが私の所へ来て、「ご迷惑をおかけしてお詫びします」更に「特別措置として、貴方の奥様には、個室に移って頂きます」と言いましたので、私は「移すなら あの婆さんを移したら?」と言いましたら、婦長さんは「あの人は駄目です。あの人は此の<特別措置>を狙って騒いで居るのです。それに ご存知の通り あの人はもう何処も悪くは無いのです」と毅然たる態度でした。
 今朝も病院に行きましたら、相変わらず大きな喚き声が聞こえました。良くあれだけの声が擦れずに続くものだ、と感心しました。もう 間も無く強制的に退院させられるでしょう。 然し 此の婆さんは負けてません。MRIやCT検査の結果「異常なし!」と言うのを先生に突き付けられても「そんなものは信じられない!そんな機械に出ない所が痛いんだ!!」と言って一歩も引きません。尤も 此の病院を放り出されたら恐らく行く所が無いでしょうから必死の戦いです。

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