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2009年6月13日土曜日

頑張れ!独居老人!

我が家の東北方向にお住まいの男性の話です。
年齢は74歳?くらい、6年前に奥様を癌で亡くされてから男ヤモメ暮らし。世間とのお付き合いは全くありませんから、最近越して来た人は いったいどんな人が住んで居るのか全然知りません。
 元々 奥様が御健在の頃から近所付き合いが嫌いな人でして、此方から「こんにちは」とか声を掛けない限り向こうから挨拶をしないで、返事も下俯いたままか細い声でボソッとする人です。
 東北地方の御出身で、ズーッと造船所の現場で定年まで黙々と働いて来られたとの事ですから、人付合いは大の苦手なのです。
 そんな人が奥様に先立たれて一人暮らしをしている・・・然も 子供は居ませんし、彼の故郷は遠い東北地方なので身寄りも友達も居ません。奥様の実家が近くに有りますが、何か訳あって没交渉でしたので所謂正真正銘の「天涯孤独」の独居老人が出来上がっちゃった訳です。
 そんな状態ですから、奥様が亡くなられた直後は心配しました。とは言え まるで牡蠣の様に閉鎖的な生活をしている人ですから、声をかけたり、様子を覗ったりする事は出来ません。だから 少し離れた所からソッと見ているだけです。何しろお葬式の時、業者が運営する葬祭場で、見た人の話に依れば、その落胆憔悴振りは尋常では無かったと言いますから、「あの人は死ぬかも知れない!?!」と囁く人も居ました。 心配なのは其の事でした。「気弱な内気な人が、思い詰めたら何をするか?分からない」と言う恐怖です。
 毎朝雨戸を空ける音がすれば「あぁ生きてる!!」とホッとしますが、朝寝坊をしたりして遅い時は「どうしたんだろう? まさか!?!」と気を揉んだりしました。 一人で静かに死んで呉れても近所の住人としては迷惑しますが、自棄のヤンパチで自殺の上放火までされたら堪りません。ともかく「何事の無く平穏に生き延びて下され」と内心祈るような気持ちでした。
 其の人を昨日近くのスーパーで見かけました。食料品の買い物をして居ましたが、驚いたのは其の姿形です。別人か!?!と思いまして良く見直しましたが、間違いありませんでした。!!
 先ずその目つきが全然違います。眼光輝き顔色生き生き艶々で、背筋ピンピンの素敵なオッサンが其処に居たのです。アッと見取れて居る間に足取り軽く行ってしまいましたが、「好かったぁ!! 元気になって、此れで余計な心配をせずに済む」とホッとする気持ちで嬉しくなりました。

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