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2009年6月1日月曜日

秘めたる恋の歌

今日の静大 岡崎先生の講義より
 古来「恋は 秘めたるをもって最善と為す」と申します。百人一首のなかで、「秘めたる恋」を詠った歌の双璧と言われる二首にまつわる逸話を勉強しました。
 四十番 平 兼盛 <しのぶれど 色に出にけり わが恋は ものや思うふと 人の問ふまで>  
「心の内に秘かに忍びこめて居た恋が、顔色や態度に出てしまった。私の恋は人が怪しみ尋ねる程まで・・・」
四十一番 壬生忠見 <恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか> 
「恋をしていると言う私の噂が早くも立ってしまった。誰にも知られないように、心密かに思いそめたのに・・・」
 これ等の二首の歌はどちらも「心密かに恋焦がれて居る 忍ぶ恋」の歌です。その遣る瀬無さが堪りませんが、此れは 天徳四年(960)村上天皇の御前で開催された歌合(歌の良しあしを争う団体戦)でお題は「忍ぶ恋」。後世これは歌合の範と仰がれました。歌の優劣を判定する判者には左大臣藤原実頼は、此の二首を比べて 余りの素晴らしい歌なので、判定に困って村上天皇に「両者とも甲乙付け難く引き分けにしたいと存知ます」と言上しましたが、村上天皇が「勝負をつけなさい」と言われたので左大臣藤原実頼は困ってしまいました。 そこでふと天皇の方を盗み見やれば天皇が「しのぶれど・・・」と呟いておいでになって居るかの様に見えたので、「平 兼盛!」と判定をしたと言う話です。



其れを聞いた平 兼盛は嬉しさの余り 手の舞い 足の踏む所を知らず 踊りながら帰ったと言う逸話が残っていると言う 面白い講義でした。

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