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2010年6月25日金曜日

氷川清話 其の2

 「氷川清話 其の2」今日は人物評論の第二段、「一万円札の福沢諭吉」です。勝海舟が此の人をどの様に評価して居るのかが、興味深いものが有りました。と言いますのも、福沢は、明治維新の時、みんなが命を懸けて戦っている最中に、自分だけ本を抱えてウロウロ逃げ回って居た、と言われて居ました。おまけに黙って逃げ隠れをすればいいのに、「こんな事で命懸けで戦う奴は馬鹿だ!ワシはそんな事はしないよ!」などと言って居たと言うのです。そして 維新の戦いが済んで、世の中が落ち着いた頃に出て来て、大きな顔をして、遣米使節団に潜り込んだり、「学問のすすめ」「やせ我慢の説」と言う本を書いたり、慶応義塾大学を作ったりして、明治の文化人の先端気取りで居ました。
 勝海舟は勿論、自分の命を懸けて維新を戦った人間として、こんな福沢を快くは思って居なかった筈です。そんな福沢が、「やせ我慢の説」を出版する前に原稿の写しを勝海舟に送って来て、「内容を批判・反論されたい」と言って来ました。内要と言うのは、勝海舟や榎本武揚が維新の時の進退を攻撃したものだったのです。
 其処で勝海舟は「批評は人の自由。行蔵は我に存す」と言う返事をしてやったのサ。つまり 「勝手に出版・公表しろ! 然しお前に何が分かるんだ!! 唯 百年の日本を憂うるの士は、まさに斯くの如く成らざるべからず!!」だ。何時の時代にも、要領よく世渡りをして、名声だけをチャッカリ手に入れる嫌な輩が居るもんですねぇ!勝海舟にしてみれば、福沢諭吉の如き奴なんかが何か言っても「片腹痛いヮ!」ってな処でしょう。

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