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2010年8月23日月曜日

アメリカ素描 其の3

 司馬遼太郎の「アメリカ素描」から 未だ書き足りない処が有りまして、続きを書きます。何と言っても司馬さんは、アメリカに就いてこれ程辛辣に、然も臆する事なく書きこんで居るのには、アメリカに対して「好き」とか「嫌い」と言うのじゃ無くて、アメリカと言う人工的に作られた文明国の非文化的な部分を、単刀直入・自然現象的に曝け出そうと言う意途が有る様に、文面から窺えて、それが面白くて堪らないのです。其の主な処・・・
 『アメリカは、大統領が就任時に国民に対して「貴方を必ず儲けさせます」と言う約束をします。つまり 此の約束(マニュフェスト)がアメリカ国民の全てで、其の目的を達成する為に<戦争でも、侵略でも何でもやれ!!>と大統領を攻め立てるのです。』それで大統領は国民との約束の為に、『意に反して居ても仕方なくヴェトナムやイラクやアフガニスタンで戦争をするのです。そして空しく多くの人命が失われ、肉親・家族を失って不幸のどん底に突き落とされた人達を踏み台にしてアメリカ国民を儲けさせようとするのです。』
 そして『アメリカは、1776年7月に独立するまでイギリスの植民地でした。植民地の時は、イギリスから迫害・弾圧の限りを尽くされました。例えば 製鉄をする事を禁じられて<馬蹄の釘一本>すら作る事を許さないのであった。其の植民地時代にイギリスから散々辛酸を嘗めさせられて居ながら、ハワイを植民地にし、フィリピンも植民地化したのです。』
 日本に就いては『日本がましな国だったのは、日露戦争までだった。あとは・・・特に大正七年のシベリヤ出兵からは・・・キツネに酒を飲ませて馬に乗せたような国になり、太平洋戦争で負けてキツネの幻想は潰えた』キツネに酒を飲ませるとどうなるのか?判りませんが、兎に角ムチャクチャ馬鹿狂いをしたと言う比喩でしょう。
 司馬さんの文章には、読み手である私に一々頷ける説得力が有り、ユーモアがあります。

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